唾液力をアップ


加齢やストレス、噛まない生活で分泌量が減ってしまう唾液。食事や生活の中で増やす工夫をしていきましょう。

●噛む回数を増やす

よく噛むことで唾液を増やすことができます。今から2000年前の弥生時代には1回の食事で約2000回噛んでいたのが、現代ではわずか約600回まで減ってしまっているともいわれます。現代の食事は食べやすいようにやわらかく調理されているものが多く、また噛む回数が少なく食べられる水分が多い麺類、スープやシチュー、煮物のようなメニューも多くあることが影響していると考えられます。
噛む回数が自然に増える食事内容にするには、噛み応えのある食材を食事に取り入れることです。ごぼうや人参、セロリなどの繊維質の多い野菜類、大豆や昆布、きのこ類、筋繊維のある肉などが代表的な食材です。そして、食材をやわらかく調理しすぎないことです。大豆や昆布も少し固めに煮る、また、ごぼうや人参などは大きめに切り、固さが少し残る程度に調理することがおすすめです。

●食事の仕方

食事中にスープや汁物を摂っていると唾液の分泌が減るので、摂る場合は少なめにしましょう。また、水やお茶を食事中にとりながらだと唾液の分泌が減るので、水やお茶は食事後に摂るのがよいでしょう。食事の最後に水やお茶を摂ることは、虫歯予防にも効果的とされます。また、一口ずつゆっくり噛むことを心がけましょう。口いっぱいにたくさん詰め込むと、舌や頬の筋肉を十分に使って噛むことが難しくなり、口に入れてすぐに飲み込む早食いになりがちです。舌や頬の筋肉を余裕をもって動かせるくらいの一口分を口に入れ、ゆっくりと噛むようにしましょう。その際にお箸をおいて噛むと、さらにゆっくりと落ち着いて噛めます。リラックスして噛むには食事が美味しいことも大切です。家庭で食材を選び、調理した料理を親しい人と囲む食事では、自然とリラックスしゆっくり噛む環境が生まれます。

●生活習慣

唾液の分泌を増やすには口の中を乾燥させないことが大切です。緊張すると口の中がカラカラになるという現象からもわかるように、ストレスが多いと口の中が乾燥するので、からだがリラックスした状態にある時間を増やすことです。また、部屋の中が乾燥していると鼻や口の粘膜が乾きますので、適度な湿度を保ちましょう。そして、話をしているときは安静時の10倍の唾液が分泌されるとされます。友人や家族と楽しく話をすることで唾液の分泌が増えるのです。リラックスした楽しい食事、家族友人と活発に話す生活で唾液を増やして、免疫力アップにもつなげていきましょう。

SHARE