環境への配慮

●さまざまな環境問題

私たちにとってかけがえのない地球。しかし近年、人間の生活や経済活動が地球に影響を及ぼし、さまざまな変化を起こしています。これらを地球環境問題と呼び、その深刻さは年々大きくなっています。
環境省が定義する環境問題は、下のいずれか、または両方を満たすものとされています。
1.被害、影響が一国内にとどまらず、国境を越え、ひいては地球規模にまで広がるような環境問題
2.わが国のような先進国も含めた国際的な取り組みが必要とされる、開発途上国における環境問題
具体的には、①オゾン層の破壊、②地球の温暖化、③酸性雨、④森林の減少、⑤野生生物種の減少、⑥砂漠化、⑦海洋の汚染、⑧有害廃棄物の越境移動、⑨開発途上国の環境問題の9つが挙げられています。

・地球温暖化
私たちが経済活動に使用する石炭や石油などの天然ガスの影響で地球のまわりの二酸化炭素などの温室効果ガスが増加し、大気圏内の熱が逃げなくなっていることから地球の温度が上昇する現象です。温暖化がこのまま進行すると、オゾン層の破壊による紫外線量の増加、海面の上昇による陸地の沈没、生態系の変化、ゲリラ豪雨や大型台風などの自然災害の増加など、さまざまな問題が深刻化すると考えられます。

・大気汚染
急速に近代化・工業化が進んでいるアジアなどでは、工場や自動車などが出す排煙による大気汚染が深刻化しています。大気汚染は人間はもちろん動植物に健康被害を与え、地球の温暖化を促進してしまいます。

・水質汚染
生活排水や工場排水による水質汚染も深刻な問題の1つです。人間のからだの約7割は水分ですから、海や川など限りある水が汚染されることは、私たちにとって大きなダメージといえるでしょう。

●環境問題への意識

内閣府大臣官房政府広報室が実施した「環境問題に関する世論調査」(平成26年7月)で、自然についてどの程度関心があるか聞いたところ、「関心がある」89.1%(「非常に関心がある」21.9%、「ある程度関心がある」67.2%)に対して、「関心がない」は10.5%(「あまり関心がない」9.4%、「まったく関心がない」1.1%)となっており、環境への関心の高さが伺えます。また、都市規模別では大きな差はありませんが、「関心がない」の割合は男性が高く、女性の方が環境への意識が高いといえます。

●関心のある環境問題

環境省が実施した「環境にやさしいライフスタイル実態調査」(平成26年度)によると、もっとも関心のある環境問題は地球温暖化、次いで大気汚染、原発事故由来放射性物質による環境汚染となっています。中でも地球温暖化の原因は温室効果ガスの増加といわれており、私たちの生活や生産活動が大きく関与しています。

●私たちにできること

大切なのは、常に意識と疑問を持つことです。毎日の暮らしに欠かせないエネルギーがどこからどのようにしてやってきたのか、普段使っている商品のルーツを知ろうとすること。また、消費者として自ら「選ぶ」意識や意思を明らかにすることは、環境を守る上でとても重要です。消費者の意識が商品を供給する企業の意識を変え、ひいては今の大量消費に支えられた社会のあり方そのものを、変えてゆくことにつながるからです。


 

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