自宅でできる、汗の臭いケア
●食生活
日本人の食生活は、徐々に欧米化してきているといわれます。日々の食事内容は、米や魚介類・野菜や豆類などを中心とした日本食から、パンやパスタ、肉類などを中心とした洋風な食事に変化しつつあります。確かに肉類は良質なたんぱく質や鉄分が豊富な上、調理のしやすさなどから手軽に食事に取り入れやすいものです。しかし、肉類ばかりを食べ続けているとからだの臭いに影響が出てくることもあるので要注意。また、ニンニクやニラといった香りの強い食材や、カレー・キムチなどの辛味が強い食材も極端に摂り過ぎない方がよいでしょう。さらに、過度なアルコール摂取も体臭を強める要因となります。
一般に、ビタミンE、ビタミンC、カテキン、ポリフェノールなどを含む抗酸化食品やアルカリ性食品、腸内環境を整える役目をする食品は、臭いを軽減する効果があると言われています。
●生活習慣
嫌な臭いを発生させないためには、汗をかいたらこまめに拭き取るのが基本。汗臭さは汗を放置しておくことでだんだん強くなっていくもの。汗をかいたら濡れたタオルや汗拭きシートなどでサッと拭き取る習慣をつけましょう。
また、毎日お風呂に入ることも重要です。汗腺機能を高める意味でも、シャワーだけでなく浴槽につかってしっかりからだを温めましょう。特に、足の指の間やわきの下など、普段皮膚と皮膚が密着してしまう部分は丁寧に洗うことを心がけます。
さらに、よい汗をかくには、積極的な水分補給が必要です。体内の水分が不足すると、血液中のミネラル分が多く汗に含まれて排出されてしまうため、粘り気がある臭いの強い「悪い汗」となります。一方、体内に水分が十分あれば、汗のミネラル濃度は下がり、さらさらとした「良い汗」となります。心地よい汗をかくためには、適度な水分補給も必要なのです。
●衣類の選び方
汗が蒸発しないでいつまでも服に密着していると、菌はどんどん増えていき、臭いが起こりやすくなります。暑い季節には、からだにピッタリとフィットするタイトな服やからだを締め付けるような服は避けたいもの。通気性のよいゆとりのある服がお勧めです。
また、最近は吸湿・速乾に優れた機能性インナーも出ていますので、そういったものを身に着けるのも効果的です。また、洗える衣類はこまめに洗濯して汗を洗い流しましょう。ただし、洗濯後生乾きの状態にしておくと菌が増殖するので注意が必要です。スーツなど、簡単に洗えない服は衣類の除菌消臭スプレーを使うなどしてお手入れしましょう。
●睡眠など
ストレスや睡眠不足は皮脂の分泌を促進させ、臭いの元となります。また、睡眠不足で疲れがたまってくると、汗の中で疲労物質といわれる乳酸やアンモニアの濃度が上がり、臭いを発生させる一因となります。健康を保つ上でも、良質な睡眠をとるのはとても重要なことと言えます。
スムーズな入眠のためには、心身をリラックスさせたいもの。寝る1時間前には入浴を済ませ、眠りに入りやすいからだの状態を作ります。寝る直前までテレビを見る、またはスマートフォンを操作するのをやめ、ゆったりと眠りの準備に入りましょう。通常、眠っている間に大量の汗をかくことはありません。起きたときに寝汗が気になるときはからだからの何らかのサインととらえ、健康維持のためのケアを怠らないようにしましょう。