眠りに関する悩み
現代の社会では5人に1人が眠りに関する悩みを抱えているという統計もあります。過労、ストレスなどによる不眠症や寝不足、24時間社会によるシフトワークの増加やインターネット利用による睡眠リズムの異常、メタボリックシンドロームによる睡眠時無呼吸症候群など現代社会から生み出される睡眠障害が増えつつあるようです。良い睡眠には「量」と「質」と「リズム」が必要です。睡眠障害とはそのいずれかに問題がある状態です。睡眠不足よって自分の体調が思わしくないと感じるまたは仕事や生活に支障が出るようであれば対処が必要です。
●自覚のある睡眠障害
眠りたいのに眠れない、または朝まで睡眠が維持できない不眠症や睡眠時間は多いのにそれでも眠いと感じてしまう過眠症などが含まれます。不眠症には3つの症状があります。
入眠障害 : 寝付きに時間(60分以上)がかかる状態
中途覚醒 : 睡眠中に何度も目を覚ましその後なかなか眠れない状態
早朝覚醒 : 起床予定より2時間以上早く目が覚めてしまう状態
理由も多々考えられます。からだのどこかが痛いまたはかゆい、咳が出て眠れない、高齢のための尿意などからだの不調や肥満、寝室の環境の変化、変則的なシフトや時差などによる生活リズムの乱れ、悩みや緊張、うつ病や不安障害など心の病気、服用している薬やアルコール・タバコなどが自覚のある睡眠障害に繋がることが多いようです。
●自分では気付かない睡眠障害
睡眠中に起こる、自覚のない睡眠障害もあります。
・睡眠時無呼吸症候群
寝ている間に呼吸が止まったり、しづらくなったりする症状です。それによりからだへの酸素の供給が不十分となり心臓や血管に負担がかかります。無呼吸状態を繰り返すたびに脳は覚醒を繰り返すため睡眠は細切れになり、深い睡眠が得られず日中に眠気や集中力の低下を引き起こすことが多くなります。肥満や体形のため舌の付け根や喉など空気の通り道が物理的に狭められることまたは呼吸中枢の問題が原因と考えられます。いびきが止まり、大きないびきとともに呼吸が再開されることが多く家族などからの指摘によって気付くことが多いという特徴があります。
・いびき
狭くなった気道が呼吸によって擦れて出る音のことです。これも原因は肥満や体形のため空気の通り道が狭められることによって引き起こされることが多いようです。
・周期性四肢運動障害
寝ている間に足がぴくぴく動いたり、膝蹴りをしたりするような動作を繰り返し起こすものです。これも手足が激しく動くことにより脳は覚醒し深い睡眠が得られないことになります。
●年齢との関係
高齢になると睡眠を持続させづらく睡眠前半の深い睡眠も取りにくくなりがちです。腰や背中の痛みや夜間頻尿などの症状も重なり、若い頃のようにぐっすり眠るのが難しくなります。また日中の覚醒状態も維持しづらく睡眠のリズムも早寝早起きになりがちです。7~8時間の睡眠にはこだわらずに昼間の活動に大きな支障がなければあまり気にしなくてもよいでしょう。