日本社会における老化
日本は世界でも有数の長寿国です。ところが国民医療費に目を向けると、その額は年々増加しており、とても「健康な状態で長生きしている」とはいえない状況です。もともと人間にはホメオスタシス=生体恒常性といって、からだの状態を常に一定に保つ性質があります。体温や血圧が一定なのも、このおかげです。ところが何らかの要因で仕組みが壊れ、身体的な健康が保てなくなることがあります。それが体調不良であり、場合によっては治療が必要になるのですが、実は日本人の多くが、この「健康が保てない状態」なのです。
日本人の死亡原因で一位から三位に挙げられている「がん」「心疾患」「脳血管疾患」。この3つの疾患だけで、すべての死因の過半数を占めています。こうした三大疾患を引き起こす危険因子となっているのが、糖尿病や高血圧症、高脂血症などの生活習慣病です。「がん」「心疾患」「脳血管の疾患」は、いずれも恐ろしい病気ですが、飲酒や喫煙、食生活、運動といった、毎日の生活習慣を改善することで、発症リスクを下げることが可能です。