7大栄養素① たんぱく質
人の生命にとって必要不可欠な栄養素
たんぱく質は、内臓から骨、髪の毛や爪に至るまで、からだの材料となる重要な栄養素です。またそのからだを機能させる酵素やホルモン、細菌やウイルスと戦う抗体などの材料にもなっています。
たんぱく質は約20種類のアミノ酸が連結し構成されたものです。それぞれに優れた機能を持ちますが、複数のアミノ酸を摂取しても、もっとも少ないアミノ酸に合わせてしかたんぱく質は合成されません。「良質なたんぱく質」と呼ばれる食品には、アミノ酸がバランスよく含まれているので、アミノ酸の力を借りるのであれば、こういった食品を意識して摂ることが大切です。
●アミノ酸
人間のからだをつくっているアミノ酸は主に20種類。筋肉、骨、内臓、神経、血液、皮膚、髪の毛などの生体部分はもちろん、遺伝子やDNAもアミノ酸が結合したものです。また、からだの働きを支えるさまざまな酵素や抗体、ホルモンといった機能性成分の材料でもあり、体液の浸透圧の調節や栄養素の運搬などにも欠くことができません。このようにアミノ酸は命の根源ともいえるとても大事な物質です。バランスよく摂り入れることで疲労回復やスタミナ増強、老化防止や美肌効果、免疫力の向上など、多岐にわたる働きが期待できます。
●必須アミノ酸と非必須アミノ酸
約20種類あるアミノ酸は、大きく2つのグループに分けられます。ひとつは、体内で合成することができない「必須アミノ酸」、もうひとつは、からだの中で合成してつくり出せる「非必須アミノ酸」です。
私たちのからだの中では、毎日約1兆個の細胞が新しくつくり変えられているといい、それだけでもからだが日々、相当量のアミノ酸を必要としていることがわかります。毎日さまざまな食材を意識して食べ、約20種類に及ぶアミノ酸をバランスよく摂ることが大切です。
・必須アミノ酸
人体に必要なアミノ酸のうち、自分のからだでは合成できず、食べ物から摂取する必要のあるアミノ酸を必須アミノ酸といいます。個々にさまざまな働きがありますが、一番少ない摂取量のものに合わせてたんぱく質が合成されるため、バランスよく摂取しましょう。
・非必須アミノ酸
体内でつくり出せるアミノ酸を「非必須アミノ酸」と呼びます。他のアミノ酸から合成したり、アミノ基の供給源によって糖の代謝物からも合成したりするため、外部から摂取しなくても成長や生理機能に支障をきたすことはありません。
●バランスの良いアミノ酸の摂取
アミノ酸は、イラストで示す食品などに多く含まれており、ふだんの食事でからだに摂り入れることができます。しかし組成は食品によってまちまちで、「たんぱく質を肉だけで摂る」などといった偏った食生活を送っていると、特定のアミノ酸が欠乏してしまいます。また複数のアミノ酸を同時摂取した場合、摂取量のもっとも少ないアミノ酸に合わせてたんぱく質は合成されますので、働きを期待する場合はバランスよく摂り入れることが大切。からだに素早く吸収される栄養補助食品の利用もおすすめです。