五行説の発展
この五行説が、その後発展し、季節などの自然界はもちろん、人のからだまですべてが五行に分類されました。例えば、人間の内臓を指す「五臓六腑」は、「五臓」と五行が関連づけられます。五臓に五行をそれぞれ、肝に木、心に火、脾に土、肺に金、腎に水と配当しています。この五臓は漢方の視点からみたもので、ひとつの臓器を指すものではなく、からだの機能を5つに分けたものです。また色では、青が木、赤が火、黄が土、白が金、黒が水に配当されます。そして、この五行説の考え方は、長年にわたり発展を続け、現代の東洋医学に応用されています。
以下の表をみると、木に属するのは春で、味は酸味。五臓は「肝」、五腑は「胆」、感覚器官は目で、五臓の状態が「爪」にでて、感情は「怒り」であることがわかります。解釈すると、自然界で新しい命が誕生する春は、人のからだでは肝の働きが活発になるため、気が高ぶりイライラしやすくなります。それを抑えるために酸味の食材がよいとさています。また、肝の不調は目に現れ、目が赤くなったり、爪がもろくなる、と読み解けます。