認知機能と運動

運動は認知機能の改善によいと広くいわれています。

●認知機能と血流

生活習慣と認知機能は大きく関わりがあるといわれます。脳細胞の衰えるスピードに影響を与える大きな要素のひとつとして、脳への血流があります。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は血液の状態が悪くなり、血流が滞ることで発症しますが、これらの生活習慣病は、認知機能の衰えにも大きく関係します。また、これらの病気を発症していなくても、脳への血流の状態は認知機能に影響を及ぼします。

●運動が脳に及ぼす影響

適度な運動は中性脂肪を減らし、肥満解消に役立ち、高血圧や糖尿病を予防・改善し、脳の血流状態を良くします。ウォーキング、水泳、ジョギング、自転車などの有酸素運動は、中性脂肪を燃焼させ血管の健康状態をよくします。また、運動によって脳内ホルモン、神経伝達物質、神経栄養因子、酵素など、脳の老化予防に役立つ物質が多く分泌されることがわかっています。神経伝達物質のアセチルコリンは、脳の海馬での神経細胞の新陳代謝を促進し、記憶力の改善に役立ちます。また、神経栄養因子(BDNF)も、脳の海馬での神経細胞の新陳代謝を促進します。その他にも下図にあるような物質の分泌が運動によって促進されることから、運動は脳の老化予防に効果的といわれます。
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